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バグ

専門家が怪異を指して使う技術的な呼称だ。噂・言説・集合的信念が臨界点を超えた時に現実へと侵食する現象の総称。魔法をチートコードと呼ぶのに対し怪異はバグと呼ぶ。チートコードが意図的な世界への介入であるのに対しバグは意図せぬ誤作動だ。発生原理・増殖構造・消滅条件の全てがソフトウェアのバグのアナロジーで説明できることから定着した呼称だ。一般市民には使われない専門用語であり討伐者・研究者・魔導省関係者が使う。

チートコード

魔法を指す技術的な呼称だ。世界のソースコードに直接介入し現実に超常的な効果をもたらす技術のことだ。正しい手順と素養があれば使用できる。バグ(怪異)が意図せぬ誤作動であるのに対しチートコードは意図的な書き換えだ。大きな書き換えは大きなバグを生む可能性があるため使用規模に比例してリスクが生まれる。この表裏一体の関係がこの世界の魔法体系の根幹をなす。

怪異の発生原理の核心をなす概念だ。噂が広まり信じる人間が増え集合的な信念の密度が閾値を超えると現実にバグとして出力される。噂はただの情報ではなくこの世界における怪異の燃料だ。オカルトがフィクションとして消費され怪談として語られることも噂の拡散に寄与する。情報統制が怪異対策の一部である理由がここにある。噂を広める行為が意図せず怪異を生む可能性があることを討伐者は常に意識する必要がある。

信念密度

怪異の本質的な強さを決定する指標だ。どれだけ多くの人間がどれだけ長く信じてきたかが密度を決める。古い怪異は信念密度が高く強力だが対処法が確立されている場合が多い。新しい怪異は信念密度が低いが未知数だ。SNS時代においては拡散速度が信念密度の蓄積速度に直結するため新しい怪異でも短期間で高密度に達するケースがある。信念密度は怪異の存在強度等級の基準となる。

秘匿と認知

怪異の存在は公的機関によって一般市民から秘匿されているが一般人でも怪異を認知・干渉できる。問題は能力ではなく知識と社会的信頼の欠如だ。怪異に遭遇した人間は体験を鮮明に覚えているが話しても誰も信じてくれない。友人には幻覚と笑われ医者にはストレスと処理される。社会がオカルトをフィクションとして扱っている以上怪異の体験は自動的に「信じられない話」として周縁化される。知識・訓練・装備の差が討伐者と一般人を分ける。

MirrorLine(ミラーライン)

この世界で最も普及しているSNSプラットフォームだ。メッセージ・タイムライン・グループ機能を統合した総合サービスであり一般市民から討伐者まで幅広く利用されている。都市伝説まとめチャンネル・怪談投稿グループ・心霊スポット共有コミュニティが人気コンテンツとして消費されている。利用者はフィクションとして楽しんでいるが討伐者から見ればMirrorLineで拡散される噂が怪異の発生源になりうるという皮肉な構造がある。

魔法灯

魔法動力で点灯する街灯だ。青白い光が特徴で都市部の街並みを構成する要素の一つ。NGT系の技術で制御されており電力系統とは独立して稼働する。停電時にも点灯し続けるため災害時の安全装置としても機能する。

素養検査

中学校入学時に全国一斉で実施される検査だ。魔法の素養の芽があるかどうかを判定する。結果は魔導省のデータベースに登録され本人と保護者に通知されるが詳細な数値は開示されない。芽があると判定された生徒の大多数はそのまま普通の学校生活を続ける。特に高い素養を示した子供が特別な育成プログラムに招かれるケースがある。

装備店

武装型・半装身型の販売と修理を行う店舗だ。表向きは防犯用品店や工具専門店として営業しているケースが多い。店主自身が元討伐者であることも珍しくない。討伐者にとって装備店は武器の調達先であると同時に情報交換の場としても機能する。

術式士

魔導具の術式設計を担う専門職だ。複数の魔法言語を組み合わせて魔導具の内部構造を設計する高度な技術者であり企業の研究開発部門に所属する者が大半だ。フリーランスの術式士は高額だが個人の要望に合わせた一品物を作れる。魔導具製造の工程において術式士の設計が品質を左右する。

情報屋

怪異に関する情報を売買する仲介者だ。祓部のデータベースにアクセスできない傭兵や無所属にとって重要な情報源になる。信頼性はピンキリだ。情報の出どころを問わない者もいれば自分の足で稼いだ一次情報だけを売る者もいる。

闇医者

正規の医療機関を使えない討伐者が頼る非合法の医療従事者だ。P'(桃魔法)の使い手が多いとされる。スラムや裏路地に拠点を構え口コミだけで患者を受ける。

怪異

集合的な噂・言説・信念が臨界点を超えた時に現実へと侵食する存在の総称だ。全ての怪異は核とルールを持つ。核は怪異の存在の中心であり消滅条件の鍵。ルールは怪異が人間を害するための条件だ。怪異は討伐者と一般人を区別しない。知識・訓練・装備の差が生存率を変える。怪異と神は別カテゴリではなく恐れと信仰の紙一重だという話が討伐者の間にある。

怪異の存在の中心であり消滅条件の鍵となる部位だ。基本的には物に宿る。特定の場所・道具・建造物・記録媒体などが核になる。稀に死体や生きた人間に宿る場合があり対処の難度と倫理的複雑さが跳ね上がる。核を無効化・破壊することが怪異消滅の最短経路だがどこに何が核なのかは調査・解明を経て初めて分かる。

ルール

怪異が人間を害するための条件だ。怪異はこのルールに従ってしか人間を害せない。ルールを破れば破るほど怪異から逃げられなくなる。ルールは怪異が人を殺す手順であると同時に怪異が人を捕捉・追跡するトリガーでもある。無意識にルールを一度も破らなかった一般人が理由も分からず生還するケースがある。解明プロセスではこのルールの特定が最重要課題になる。強い怪異ほどルールが複雑で厳密になる傾向がある。

存在強度等級

怪異の本質的な強さを示す等級だ。特級・一級〜五級の六段階があり等級が高いほど強い。存在強度は信念密度と永続性で決まる。五級・四級は日常的に湧く雑魚であり魔法や物理攻撃で直接倒せる。三級は中ボス相当で化け物じみた強さを持つが力押しも不可能ではない。二級以上はボスから災害レベルであり調査・解明プロセスなしでは核にダメージを与えられない。特級は封印・管理が限界の存在だ。存在強度と脅威度種別は独立した軸であり必ずしも一致しない。強いが安全な怪異(一級丁種)や弱いが危険な怪異(五級甲種)が存在する。

脅威度種別

怪異が人間にどの程度の害をなすかを示す種別だ。甲種・乙種・丙種・丁種の四段階がある。甲種は無差別に人を害する最も危険な種別。乙種はルールを破った者など条件付きで害する。丙種は刺激しなければ安全で放置が最善の場合もある。丁種は人を害さず共存可能または信仰対象に近い。脅威度種別には影響範囲(広域型・局所型)と被害性質(物理型・精神型・複合型)が備考として付記される。

古い怪異

長い歴史の中で語り継がれ積み上げられた怪異の総称だ。信念密度が高く強さは桁違いだが民俗学・文献・口承によって対処法が存在する場合が多い。弱点は必ず民俗学的記録に痕跡がある。神社・古文書・民俗学者が重要なリソースになる。1300年代の戦乱・疫病・飢饉の時代に多くの古い怪異が確立したと推定されている。現在も循環型として繰り返し出現する怪異の原型がこの時代に生まれた。

新しい怪異

現代の情報社会で生まれた怪異の総称だ。SNS・都市伝説・ネットロアが発生源。拡散速度が強さに比例する可能性がある。強さは低めだが初見殺しと未知数が最大のリスクだ。データベースに記録がなく対処法が存在しない。1996年に初めてインターネット発生源の怪異専用プロセスが策定された。SNS時代においては単一国家の対処能力を超える規模に成長した事例が記録されている。

一時型怪異

核が破壊されると消滅する標準的な怪異だ。最も対処しやすい分類だが噂の中身が変質して似た性質の派生体が後日発生するケースがある。派生体は元の怪異と別個体であり調査・解明の省略は禁止だ。一時型と思って対処した怪異が実際には循環型だったというケースは討伐者にとって最も多い誤判定の一つだ。

循環型怪異(都市伝説型)

社会に深く根を張った怪異だ。核を破壊しても噂が生き続ける限り新たな核を形成して再出現する。討伐は根絶ではなく制圧だ。再出現個体は基本ルールを引き継ぐが核が宿る物によって細部が変質する。完全根絶には噂そのものを消す必要があるがこれは現実的にほぼ不可能だ。1996年に初出記録された深夜廻り怪異は現在も循環型として断続的に出現している代表的事例だ。

定着型怪異(禁足地・土地型)

特定の土地そのものに根を張った怪異だ。破壊困難タイプと一度限りタイプの二種がある。破壊困難タイプは核が土地と一体化しすぎており通常手段では無効化できない。大規模な魔法での破壊はさらに大きな怪異を生むジレンマがある。一度限りタイプは核の特定と破壊に成功すると噂の構造ごと崩壊して完全消滅する。達成した討伐者は伝説扱いされる。2034年の白銀の廃線事件では特級丁種の定着型怪異が封印処理され現在も維持されている。

改造個体

元の怪異のルールが変質しているが変質割合が50%未満の怪異だ。元の核とルールが主体として残っているため既存の知識がある程度通用する。調査段階では文献との齟齬・被害パターンの不一致・核の所在の混乱・目撃証言の分裂という四つの違和感として現れる。解明段階では既知のルールと決定的に食い違う一点で驚きが生じる。この驚きは調査段階の違和感と必ず対応している。何者かが意図的に既存の怪異を改造している可能性が指摘されている。

別個体

元の怪異のルールが変質割合50%以上になった怪異だ。新しい核と新しいルールを持つ完全に別の怪異として扱う。元の怪異の知識はほぼ役に立たない。解明段階で改造個体と思って進めていた調査が別個体だと判明した瞬間それまでの解明作業が全て無効になる。最も恐ろしいパターンは改造個体と解明して討伐に挑んだ瞬間に別個体だと判明するケースだ。変質割合の現場判定に確立された手段はない。

怪異と神について

討伐者の間では怪異と神の関係についてこういう話がある。「恐れられているか信仰されているかの違いだけだ。」真偽は不明だ。ただし神社の御神体が怪異化したという記録が残っていることは事実だ(1985年・御霊崩し事件)。神だから討伐できないという保護はこの世界に存在しない。怪異が信仰を集めてどこかへ変質するという話も討伐者の間にあるがこちらも詳細は不明だ。

素養

魔力を体内から外に出し世界を書き換える感覚を自力でコントロールできる能力のことだ。音感に近い特殊な知覚能力であり完全な天性ではないが訓練だけでも開けない。素養の芽自体は人口の30〜40%に潜在しているが実際に使えるレベルまで開花するかどうかは訓練・環境・きっかけに大きく左右される。素養持ちの子供を巡って国家・企業・正体不明の組織が激しく争奪している。

魔法

世界のソースコードに直接介入する技術だ。正しい手順を踏めば現実に超常的な効果をもたらす。素養が必要であり訓練によって習得する。この世界では電気やガスと同等のインフラとして位置づけられており資格制度と安全基準が存在する。大きな魔法を使えば使うほど大きな怪異が生まれる可能性が跳ね上がる。魔法で怪異を倒すことと魔法で怪異を生むことは表裏一体だ。魔法事故が怪異を生むという事実は一般には公開されていない。 魔法の属性の違いはプログラミング言語の違いだとされる。魔法使いは基本どれか一つの言語で魔法を発動する。魔導具はその言語を複数使いながら製作される。 法律で原則禁止されている魔法が存在する。透明化魔法は暗殺・犯罪への悪用リスクが高く基本禁止だ。召喚魔法は怪異の発生原理と酷似しており怪異誘発リスクが非常に高いため禁止されている。

魔法言語

魔法の属性を規定するプログラミング言語の総称だ。八種が知られている。言語の違いは「できること・できないこと」の違いではなく「アプローチの質感の違い」だ。術式をきちんと組めばどの言語でも同じ結果を得られる。 P・P:・P'は系統として繋がっており、P:とP'を扱うにはPの習得が前提になる。

異能

魔法とは根本的に異なる能力体系だ。怪異と同じ発生原理の延長線上にある力であり強烈な体験・執着・信念が人間の内側で生み出す。魔法が外側の世界を書き換えるのに対し異能は内側から滲み出る力だ。魔法より直感的に扱えるが制御が難しい。素養の有無に関わらず発現する可能性がある。一人一人の異能が固有の形を持つ。使い続けると使用者が怪異に近づいていくリスクがあるとされている。その先に何があるかは誰も正確には把握していない。

侵食

異能や特殊な装備を長期間使用することで使用者が怪異に近づいていく現象だ。詳細なメカニズムは不明だが異能使いの間では「使うたびに何かが変わっていく」という感覚として語られることが多い。外見・思考・感情に変質が現れ始めるケースが報告されている。どこまで進むと取り返しがつかなくなるのかは不明だ。侵食が進んだ討伐者が討伐対象になった事例があるという話が無所属の間に流れている。

覚醒パターン

討伐者が能力に目覚めたパターンの分類だ。四種がある。先天覚醒型は生まれつき素養を持ち訓練で開花させた人間で祓部に多い。ショック覚醒型は怪異に関わる強烈な体験が引き金で恨みが動機に直結しやすく精神的なダメージを抱えやすい。実験覚醒型は何者かの人体実験で強制覚醒させられた人間で素養強度が高い代わりに代償が大きい。接触覚醒型は怪異の核や特殊な素材への長期接触で覚醒するパターンで侵食リスクが伴う。

魔導具

魔力を体内から吸い出し特定の効果に変換する道具だ。素養のない人間でも使える。あらかじめ設定された効果しか出せないが安定している。製造には素養持ちの技術者が必要で高品質なものほど高価だ。国家系企業の官製品は安全性重視で保守的。独立系企業の製品は尖っているがリスクが高い。無所属が使う曰く付きや違法改造品は出どころ不明のものが多い。大規模な魔導具の稼働は怪異発生リスクを伴う。

出自不明の特殊魔導具

2017年頃から闇市場で流通が確認されている出自不明の魔導具だ。合法的な流通経路は存在しない。通常の魔導具では不可能な効果を発揮するとされているが使用者に何らかの代償が生じるという情報がある。詳細は不明だ。製造者と流通経路の全容は現在も不明だ。関わることは推奨しない。

武装型|ウェポンタイプ

武器や盾など基本的に手に持って使用する武装の総称だ。最もシンプルかつ最も歴史が長い装備分類だ。剣・銃・槍のような物理武器から魔導具を組み込んだ魔法武器まで幅が広い。携行性が高く状況に応じた持ち替えが容易だ。素養の有無に関わらず使用できる。単体では三級以上の怪異への対処に限界がある。

独立型|オートノモスタイプ

自律ドローン型支援機やAI制御型タレットなど所有者の命令がなくとも適切な行動をする武装の総称だ。偵察・索敵・援護・包囲を並行展開できる唯一の分類だ。この世界のAIは魔法演算と電子演算を組み合わせた独自設計になっている。怪異のルールを破った機体が怪異に捕捉される事故が報告されている点に注意が必要だ。

半装身型|セミクラッドタイプ

腕や足を覆うアーマーを兼任した武装の総称だ。武器と一体型になっているものが多い。魔導具との統合が最も進んでいる分類で素養なしでも高い出力を得られる設計が多い。素養持ちが使用する場合は直接行使と魔導具出力を組み合わせたハイブリッド運用が可能だ。傭兵の二つ名持ちが個人専用にカスタムするケースが多く装着部位と組み合わせの選択にその討伐者の戦闘哲学が現れる。

全装身型|フルクラッドタイプ

全身を覆う戦闘用アーマー型武装の総称だ。癖が強く扱える人間が少ない。全身を完全に覆うことで防御力・身体能力強化・魔法出力を最大化する。機体と使用者の相性が最も重要な分類だ。同調できない機体を無理に使うと逆に能力を制限される。一般市民に目撃された場合に強烈な印象を残し都市伝説化しやすい。自分が都市伝説の核になることで関連した怪異が生まれるリスクがある。全装備中で怪異発生リスクが最も高い。**※PC使用不可。**

搭乗型|マニューバータイプ

主に搭乗して動かす大きな兵装の総称だ。バイク・モノサイクル型から特殊車両型まで幅が広い。個人装備を超えた機動力と積載能力を持ち戦闘用途に限らず輸送・偵察・拠点構築など多目的に使われる。魔法動力と従来動力を組み合わせたハイブリッド設計が主流だ。狭い場所や建物内での使用が困難な点が弱点だ。

戦闘用搭乗型|コンバットマニューバータイプ

ロボットやモビルアーマーのような戦闘用に作られた巨大兵装の総称だ。三級から四級の怪異への対処を主目的としている。戦闘後に周辺で小型怪異が発生することは現場では常識だ。長期間使用した機体が怪異の干渉を受けて暴走した事案が報告されている(2037年・機動兵器と怪異の相互作用事案)。また非常に巨大な生体的な何かが都市部に出現したという目撃情報が断続的に報告されているが詳細は不明だ。**※PC使用不可。**

祓部(はらえべ)/公的機関討伐部門

公的な怪異対処組織の名称だ。魔導省の内部組織として存在しており警察や自衛隊の入隊検査の段階で素養を持つ人間が選別されて配属される。中央本部は千隼市の魔導省本庁舎地下に展開しており各管区に拠点を持つ。体力・判断力・知識の三つを同時に極限まで引き上げる訓練体系だ。国家系企業の官製魔導具が標準支給される。祓部のデータベースへのアクセス権を持ち調査プロセスで圧倒的に有利だ。怪異の存在を一般市民から秘匿し社会の安定を維持する役割も担う。武装・行動に法的・組織的な制限がかかりやすい。古い怪異に関する深い知識と専門的な訓練体系を持つが詳細な内部構造や保有する知識の全容は一般の職員にも開示されていない部分が多い。元祓部の無所属は内部知識を持って組織を離れた人間であり公的機関にとって最も厄介な存在だ。

魔導省

魔法インフラの安全基準策定・魔導具製造業者への監査・認可・個人の魔法使用資格の管理・魔法事故の調査と処理を担う独立した国家機関だ。一般市民にとっては魔法版の安全委員会として認識されている。その内部組織として祓部が存在しており公的な怪異対処を担っている。

傭兵集団

傭兵は個人から集団までさまざまな形を取る。集団であれば部隊名を持つケースが多い。大企業がバックについている討伐者集団だ。西管区の錆ヶ浜が事実上の傭兵の街として知られ、組合街や倉庫街に拠点が密集する。独立系企業の高性能魔導具やプロトタイプを運用する。公的機関の法的制約に縛られないため実戦での対応力が高い。二つ名を持つ個人特化型の専用装備使いが存在し伝説扱いされる。傭兵ネットワーク《Anonymous》を通じて依頼を受ける。2013年の霧島事案で公的機関との管轄争いが表面化し暫定的な規制フレームワークが策定されたが実効性は低い。

《Anonymous》(アノニマス)

傭兵向けの仲介ネットワークだ。各地に支店を持ち、登録すれば依頼を受けられるようになる。支店に足を運んで登録するか、定期的に開催される登録会に参加すれば仕組みの説明を受けた上で加入できる。依頼はレーティング制で管理されており討伐者にはランクがつく。高ランクの者に高難度の依頼が回り、実績と評判に応じて指名依頼も入る。五級駆除の量産案件が基本だが、ランクが上がれば三級以上の高額案件が解禁される。ネットワーク内での情報交換・装備の融通・チーム編成の斡旋も行われる。

無所属

祓部にも傭兵ネットワーク《Anonymous》にも属さない者たちだ。装備店の主人、傭兵でない企業の用心棒、灰嶺市最下層の底澱のようなスラムで生き残るために無免許や偽造免許で戦う人間など、そのかたちは多様だ。犯罪者扱いされることも多く法的な保護がない。曰く付きの特殊装備・違法改造品・出どころ不明の専用機を使う。互いの覚醒経緯を詮索しない不文律がある。国家・企業の育成施設から逃げ出した人間が無所属の中で別格の実力者になるケースが多い。元公的機関の無所属は内部知識を持って組織を離れた人間であり公的機関にとって最も厄介な存在だ。2034年の白銀の廃線事件で形成された無所属コミュニティが現在の無所属の繋がりの核になっている。

討伐免許

魔導省が管轄する免許制度だ。怪異を合法的に討伐するにはこの免許が必要になる。素養検査に合格し初期講習を修了すれば取得できる。年1回の更新講習が義務であり怪異の最新動向・装備の安全基準・法改正が共有される。講習では五級怪異の実地演習も行われるため新人討伐者の最初の実戦経験はここになることが多い。祓部・傭兵は原則として免許を持っているが、無所属の中には無免許や偽造免許で活動している者もいる。

リトルクラン

底澱をはじめとするスラムに存在する子供たちの寄り合いだ。親を怪異に奪われた孤児や行き場のない子供たちが互いに身を寄せ合い、生き延びるために集まった小集団だ。正規の訓練を受けていないが怪異と隣り合わせの生活の中で実戦的な勘を身につけている。大人の討伐者が面倒を見ている場合もあれば子供だけで回している場合もある。祓部からは保護対象として扱われるが実態の把握は追いついていない。

謎の組織

怪異を意図的に利用している組織が存在するという情報がある。表向きは合法的な宗教法人または福祉団体として社会に存在しているとされる。公的機関は最高危険指定組織として分類しているが全容は把握できていない。「あなたの体験は本物だ」という言葉で怪異の被害者・社会から疎外された人間・素養を持て余している人間を引き寄せるという話がある。2023年には素養を持つ子供の連続失踪事件との関連が疑われた。2028年には都市部で怪異を意図的に放流したとされる事案がある。関わる場合は最大限の注意が必要だ。

蒼鉄機工(そうてつきこう)

最初の魔導具製造企業として設立された国家系企業の筆頭だ。東管区の鉄嶺工業圏に主要工場群を持ち、安全性重視の保守的な設計が特徴で国家の安全基準に最も忠実な製品を供給する。公的機関の標準装備の大半を製造している。1952年から討伐用機動兵器の研究開発に関わっており現在の公的機関の主力機体の多くを手がけている。2019年の全装身型プロトタイプ事故以降開発基準が大幅に強化された。

雷禽重工(らいきんじゅうこう)

1973年に西管区の雷ノ湊に設立された独立系魔導具製造企業だ。高出力・高リスクの尖った設計で蒼鉄機工と差別化している。傭兵集団との関係が最も深い企業であり独立系企業の高性能品・プロトタイプを傭兵に供給している。パイロットの素養と機体を直接同調させる戦闘用搭乗型を開発した企業でもある。この機体はパイロットへの負荷が従来型より大幅に増加することが内部では把握されていたという情報がある。

鵺ヶ原事変(ぬえがはらじへん)

近代初の大規模怪異事件として記録されている。急速な都市化と近代化への不安が集合的な信念として臨界を超え旧市街地一帯に特級相当の怪異が出現した。当時の技術では対処不能であり専門家集団が緊急招集されて封印処理が行われた。被害規模と怪異の詳細は現在も最高機密として封印されている。鵺ヶ原の地名は現在の地図に存在しない。後の魔法安全基準制定のきっかけになった重要事変だ。

白鴉事件(しろからすじけん)

灰嶺市の地下工事中に封印されていた古い怪異の核が偶発的に破損した事件だ。解放された怪異は一級甲種相当であり工事関係者と周辺住民に多数の被害が出た。公式発表はガス管爆発事故だ。この事件を契機に地下開発における怪異リスク評価が義務化されたが非公開の内規として処理された。現在の地下開発プロトコルの原型がこの事件から生まれた。

終戦後怪異爆発期

戦争による大規模な死と恐怖・悲嘆が集合的な信念として爆発的に拡散した時期だ。各地で新旧の怪異が同時多発的に発生した。この時期に現れた怪異の中には現在も循環型として繰り返し出現するものが複数ある。対処が追いつかず封印処理で凌いだケースが多い。この経験が後の公的機関の三段階討伐プロセスの原型を生んだ。

御霊崩し事件(みたまくずしじけん)

長年にわたって地域の守り神として信仰されてきた神社の御神体が再開発による神社の取り壊しを機に怪異化した事件だ。神が怪異に転換した事例として討伐者の間で語られている。転換した怪異は通常の討伐手段が通じにくく専門家による封印処理が行われた。再開発と信仰の喪失が怪異を生む可能性を示した事例だ。

深夜廻り怪異の初出記録(しんやまわりかいいのしょしゅつきろく)

インターネット上で広まった都市伝説から発生した最初の記録的な新型怪異だ。従来の民俗学的知識では対処できず公的機関が初めてインターネット発生源怪異専用の調査・解明プロセスを策定するきっかけになった。この怪異は現在も循環型として断続的に出現しており信念密度は二級相当まで成長している。インターネットと怪異の関係を知らしめた最初の事案だ。

拡散型怪異事案(かくさんがたかいいじあん)

SNSで爆発的に拡散した都市伝説から発生した怪異が初めて単一国家の対処能力を超える規模に成長した事例だ。情報の拡散速度が怪異の成長速度に直結することが初めて数値として記録された。この事案を機に複数機関の連携プロトコルが整備される。公式発表は広域感染症の誤報として処理された。

霧島事案(きりしまじあん)

傭兵集団が公的機関より先に大規模怪異の情報を掴み独自に討伐した事案だ。討伐自体は成功したが無許可での高出力魔導具使用により周辺に複数の新型怪異が発生した。公的機関と傭兵集団の管轄争いが表面化した最初の大規模事案だ。この事案を機に傭兵集団に対する暫定的な規制フレームワークが策定されたが抜け穴が多く実効性は低い。

素養持ち子供の連続失踪事件(そようもちこどものれんぞくしっそうじけん)

複数の都市で素養検査を受けた直後の子供が相次いで失踪した事件だ。国家の育成施設への収容でも企業の引き抜きでもない第三の経路の存在が示唆された。謎の組織との関連が疑われているが証拠は不明だ。素養持ちの子供を狙った何者かが社会に潜んでいるという認識が討伐者コミュニティに広まるきっかけになった。

白銀の廃線事件(しろがねのはいせんじけん)

北管区・凍月嶺の山間を走る廃線になった鉄道路線全体に定着型の怪異が発生した大規模事案だ。特級相当の存在強度を持ちながら丙種という異例の組み合わせだった。公的機関・傭兵・無所属が同時期に現場入りし三者が初めて本格的に協力して封印処理を行った事例だ。封印は現在も維持されており定期的な状態確認が続いている。この事案で協力した討伐者たちの一部が現在の無所属コミュニティの核になっている。

機動兵器と怪異の相互作用事案(きどうへいきとかいいのそうごさようじあん)

大型の戦闘用搭乗型が三級甲種の怪異と長時間交戦した結果機体の魔導具システムが怪異のルールに干渉されて暴走した最初の記録事例だ。機体が制御不能になり新たな怪異を生みながら都市部を移動するという事態が発生した。最終的に無所属の討伐者が機体のコアを破壊することで収束した。機動兵器が怪異と化する可能性を示した事案として討伐者の間で語り継がれている。

第一次怪異兵器使用事案(だいいちじかいいへいきしようじあん)

謎の組織が都市部で怪異を意図的に放流したとされる事案だ。三級乙種の怪異が繁華街に放たれ複数の被害者が出た。公式発表は原因不明の集団パニックだ。怪異を意図的に兵器として使う組織の存在を討伐者コミュニティに強く印象づけた事案だ。詳細は公的機関が情報を管理しているため不明な点が多い。

黒霧の夜(くろきりのよる)

単一の新型怪異が発生から72時間以内に三級甲種広域複合型まで成長した記録的事案だ。SNSの拡散速度が怪異の成長速度を数倍に加速させた最初の事例として記録されている。公的機関・傭兵・無所属の三者が初めて正式な情報共有協定を結ぶきっかけになった。協定は現在も形式上維持されているが実態は形骸化している。 *このリストに載っていない言葉に出会った時こそ、調査の始まりだ。*