異世界エレベーター
概要
『異世界エレベーター』は、特定の手順を踏むことで異世界へ到達できるとされるインターネット掲示板発祥の噂、およびそれが実体化した怪異の総称である。全国のあらゆるエレベーターが怪異化する可能性を孕むが、発生条件が複雑なため発生確率は低い。
接続先となる異世界は全国で一律であり、環境面のみで言えば人間の生存が可能。パラレルワールド説、未来の地球説などが提唱されているが詳細は不明。
経緯・現状
第一段階:噂の怪異化
インターネット掲示板上に出現した『噂:異世界エレベーター』が怪異化。
第二段階:利権争いの勃発
事案を察知した国家機関と民間企業の間で、土地や資源を巡る利権争いが発生。
第三段階:停滞
後の調査により、大規模な開拓と追加調査の必要性が判明。しかしエレベーターの性質上、持ち込み可能な機材が制限されること、資金・人員・怪異知識の不足が重なり、争いは停滞。互いに「相手が身銭を切って開拓した土地を奪う方が効率的」と判断したと推測され、現在は睨み合い状態。
第四段階:違法封印の頻発
一部の傭兵や無所属の者が、手に負えない怪異を異界へ違法投棄(封印と称する行為)する事案が頻発。結果として異界は怪異が跋扈する危険地帯と化す。
第五段階:現体制の確立
最大の異世界エレベーターを国が企業協賛のもと管理する体制が決定。一般の手出しは制限されたが、各方面と折り合いをつけた結果、討伐者へ探索依頼が発注される運用となった。
異世界エレベーター自体は複数確認されているが、総数は不明。都市部での発見例は少なく、廃ビルやスラムでの発見率が高い。これらは封印・対象事例に組み込まれる割合も多い。
操作盤
国が管理する特級エレベーターは、通常の発生手順が省略されている代わりに、以下の難解な操作盤が設置されている。
- —トグルスイッチ × 3
- —10段階ロータリースイッチ × 2
- —18個の謎の象形文字によるボタン
危険度分類(低 → 高)
| 段階 | 状態 |
|---|---|
| 低 | 操作盤が変わっていない |
| ↓ | 操作盤の文字が変わっている |
| ↓ | 操作盤のボタンの個数が変わる |
| ↓ | 文字もボタンも変わる |
| 高 | およそエレベーターと思えない操作盤になる |
エレベーターの特性
基本的に、無理矢理押し込まない限り怪異がエレベーター内に侵入することはなく、エレベーター自体も怪異の影響を受けない。
ただし、外側から怪異を押し込んだ場合、エレベーターは自動的にドアを閉め、怪異をどこかへ運搬した後、空の状態で元の階へ戻ってくる性質を持つ。この性質が違法封印行為の温床となり、現在の異界の混乱を招いた一因である。
異界(表記ゆれ:異階)
異世界エレベーターあるいは類似現象によって移動可能な、現実とは別の空間を指す。
『怪異:異世界エレベーター』によって到達できる空間は「同一エレベーター内で一律」である。これは「エレベーターはその建物の階層しか移動できないもの」として認識されていることに起因する。ただし、一つの空間内に複数のエレベーターが存在する階層も確認されている。
異界は未探索領域が多く、規模は定かではない。違法投棄により危険度が増したものの、怪異への対抗手段を獲得した者たちによって、少しずつ調査が進められている。
階層数、および階層が固定なのかランダムなのかも不明。検証中だがデータが不足している。
治外法権としての異界
「エレベーター内の空間は法が及ばない場所」とされている。
帰還システム(魔術的介入技術)
エレベーターに魔術的介入を施し、「入ってきた階に戻す」機能を付加した技術。
仕組み:
瘴気の痕跡から入ってきた階層を特定 → 「その階層に行くためのボタンを押した」という魔術的事実を操作盤に上書き → 操作盤に触れることなく送り返す。
効果:
- —探索者を安全に帰還させる機能
- —希人を元の世界に返す機能
- —操作盤の誤操作によるロスト事故を大幅削減
副次的効果:
誤った手順で操作盤を操作され、帰還不可能状態になる事故を防止する役割も担っている。
開発者: 錆島造
依頼区分
国と企業が「怪異が外界へ流出すること」を恐れているため、全ライセンス所持者に依頼が発注される。依頼は大きく二種類に分類される。
依頼種別 1:特級エレベーター内の探索
特級怪異と化したエレベーター内の、一階層のみを探索し帰還する依頼。システム上、階層を跨ぐことは禁止されている。
依頼種別 2:各地に発生した異世界エレベーターの調査
都市部、廃ビル、スラム等で発見されるエレベーターの調査・対処。
補足事項
希人について
中から人が出てくる事例が確認されており、これらを「希人」と呼称する。なお、呼び方は人によって揺れる。元いた世界とこちらの世界で物理法則が異なる場合、能力の一部に制限がつく可能性がある。
未知種族の出現
中からこの世界には存在しない種族が出てくる可能性が確認されている。
送還技術の限界
希人を「元の世界」へ送り返す技術は確立されたが、使用には膨大な時間を要する。また、送還後にこちらへ戻って来られるかは保証されていない。